朱雨に鉛
しかし、
「あれれれえーんっ?」
「おいおい……この俺に傷つけるなんざ百年はぇえぜ? このクソ餓鬼」
向けた金属バットを、目の前の女性は片手に持つ銃で受け止めていたのだ。
いや、この口調からして女性ではなく、“ 男性となったのか ”。
見た目は女性、中身は男性。これ故に、人外ならずの異常者である。
「ふうーんっ、にゃるにゃるにゃあーるほどおおううっ。可愛子ちゃんも、人殺しの臭いがすりゅううううっ!
僕ちゃーんとおんなじねっ、きゃふっ、きゃふふふふふふふふううっ!」
「ッハ、おんなじだあ?ざけんな、テメェみてえな野郎と一緒にすんじゃねえよ。狂思考者が」
銃を構え迷彩チャイルドに向けるキャサリン……もとい【キール】。
銃は白衣の中に常備しているようだ。