仮想恋愛
「煙草もらえる?」

顔を上げた目の前に

彼の顔があった

クリームパンとコーヒー

何故か

彼の顔がにじんで見えた

「煙草・・・」

もう一度彼が言った。

「すみません」

嬉しいような
安心したような
そんな気持ちでいっぱいだった

「彼・・・」

そんな言葉で
私は自分の心を確信した


思い切って声をかけた。

「今日はあんぱんじゃなくてクリームパンですね」
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