未タイトル
「紗香!」


「はい!」


結局、トイレには入らず周りに人気のない教室に入った



…つーか怒られ


「…大丈夫?」


なかった…


佳奈は表情を崩し、心配した目で私を見つめる



「…大丈夫だよ」


大樹とは幼稚園からずっと一緒で

もはや家族みたいな関係になっていて


大樹はこんなに一緒にいても私を女として見なかった


ただそれだけ



「仕方のないことだったんだよ…」


私がいつまでも意地を張って素直になれなくて

このままでもいいやって…現状維持を望んだ結果なの



「紗香…」



だからさ…佳奈

佳奈には悪いけどそんな目で見てほしくない


必至に零れそうなものを堪えてるんだからさ…


頑張ってるんだから…



「泣いてもいいんだよ…?」



そんなこと言わないで…?



私の頬につたう涙が余計に私の心を切なくさせた





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