エンドロール
「既に何人もの子どもが日の本を歩けていないわ。」
「なんのことだ。」
何を言っているかわからないと言わんばかりに眉を顰めこちらを疑う表情を浮かべた。
もしかして人体実験については知らないのか。
もう少し探ってみる必要がありそうだ。
「私を全面的に守ってくれるなら私の持ってる情報全て教えるわ。」
「あぁ。なるほど。
つまり深入りしすぎて追われてるってわけだ。とんだお笑い草だな。」
今度は足を組んでソファの背もたれにもたれこみ、口角を上げて挑発するように笑みを浮かべた。
どこまでも軽視して侮られている証拠だ。
「……まぁいい。情報が先だ。どうするかはそのあとだ。」
「…………いいわ。」
そう言っていつまで経っても座るように促されないので、自らソファに腰かけた。
「おい。お前ら。外に出てろ。」
彼の一言で部屋には人間は私と水嶋匡本人、鉄仮面秘書もとい高城と呼ばれる男だけを残して全員出ていった。
そして、最後の人が出て行って扉が閉まるのを確認すると仙道と出会ったことから御堂のこと研究所で行われていることをポツポツと話し始めた。
話している最中、水嶋匡は何を考えているかはわからず、ただ表情一つ変えずソファの肘掛けに頬杖をついて足を組み、じっと黙って聞いていた。