エンドロール
「どうする?相手が教頭ってなると話は変わってくるんじゃない?」
教頭は中森以上に責任感の強い教師だ。
一旦、引き継いだのなら意地でもやってのけようとするだろう。
中森がゴキブリなら、教頭は小うるさい蚊だ。
逃げようものなら全校放送まで使って呼び出すとかなんでもやりそうだ。
全校放送なんてさすがに恥ずかしすぎる。
公開処刑も同然だ。
教頭は人の周りに付き纏って、生気を吸い取る。
少し厄介なことになってしまった。
「助けてあげようか?」
机に頬杖をついて上目遣いでこちらを向いている律は悪戯っぽく微笑んだ。
「……………。」
「……………。」
「目的は何?」
目を細めて疑いの視線を送る。
「やだぁ、親友を助けるのに目的なんて野暮なこと言わないでよ。」
いつもより少し甲高い声がますます怪しい。