エンドロール
それに、今までずっと勝手に合理的で冷徹な人間かと思っていた。
借金肩代わりしてくれたり部下に慕われているところを見るとちゃんと人を思いやれる心もあったんだなと今日一日を通して少し印象が変わった。
「お前の部屋は階段上がって突き当りだ。
荷物は部屋に入れてある。今日はさっさと風呂入れ。」
ビクッと反応して背筋に緊張が走った。
「安心しろ。ガキに興味ねーよ。
逆に抱いてほしいなら別にかまわないけど?」
「死んでもでもお断りよ。」
なんだか拍子抜けした。
実はロリコンなのではと疑って、警戒していたのだが、取り越し苦労のようだ。
私は、さっさと部屋に入り閉じこもった。
部屋に入った瞬間バッグに入っていたスマートフォンが遺書に入っている財布や化粧ポーチを巻き込んで振動させ、私にメールの受信を伝える。
取り出して液晶を確認するとメールの差出人は伊織からだと表示されていた。