エンドロール
「こんな時間にすまない。この店の責任者はいるか?」
強面の男はお店に一歩入った入り口付近から離れず、スーツ姿の男だけが近づいてきてた。
近くで見ると妙に整った顔立ちで私の顔一個分背が高く、落ち着いた雰囲気はあるが不思議なオーラが感じられ、今までこの店に来たお客さんの中でも見たことのない毛色だ。
そんな中私の視線は男性の身に纏うスーツで、一体幾らくらいするのだろう。きっと高いんだろうななんて能天気なことを考えていた。
そして、もう一つ。
スーツの男性には不釣り合いな後ろに佇む強面お兄さん方だ。
何が気に入らなかったのかはわからないが、睨まないでいただきたい……。
一見、温和そうに見えるスーツの男性もよくよく見れば普通の人とは何か違った雰囲気を持っている。
ただの来店客ではないことはすぐにわかった。
「失礼ですが、どちら様ですか?」
「連條と言ってもらえればわかるかと。」
「すぐ呼んで参りますので少々お待ちください。」
私は店長を呼びにバックヤードへ向かった。