エンドロール
「これを見る限り宇都宮マキは人体実験に利用されていた。
そして新薬開発のため継続的に危険薬物を身体に投与され続けていたということか。」
「研究所では人間扱いなんてされず被験体番号138番なんて呼ばれていたそうよ。
身体のどこかにその焼き印が施されているらしいわ。」
「まさにモルモットってわけか。」
「もうここまで来たら戸籍なんてデタラメ。都合のいいように書き換えられていたんでしょうね。」
しばらく話し込んで長くなると思ったからなのか目の前のテーブルにコーヒーの入ったカップを二つとシュガーとミルクが一つずつ置かれた。
高城さんが後ろで何かしていると思っていたけれどまさかコーヒーを入れてくれていたなんて親切な人だ。
社長はそれを当たり前のように出されたものに何も手を加えず、そのまま手にして足を組んだままコーヒーを啜る音を立てて口にした。