エンドロール



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「美紅。」


次の日学校に行くと、律が血相を変えてやって来た。


「お店が無くなったってどういうこと?」


律は生徒会メンバーとともに打上げ等でよく利用してくれている常連客である。


「うん……。」


あの後、結局お金の目途がたたず、お店を売ることにしたみたいだ。

なぜ借金を作ったのか、なぜ苦しい経済状況のなか私たちを雇っていたのか、大事なものを失い、項垂れていた店長の背中を見ていたらなんとなく聞けなかった。

ただ、息子さんが訪ねてきたらしく、それまで一発殴ってやろうと心に決めていたはずなのにただただ謝罪する我が子を見てすっかり興奮していた気持ちが沈下してしまったらしい。


そして、数年ぶりにちゃんと話をしたんだとか。

今後は田舎へ引っ越し・再出発するとのことだ。


「そっかぁ…。なら、仕方ないね。はぁ~あ、あのお店気に入ってたのになぁ。」



「そうだね……。」



私も人様の借金のことや今後の行く末を気にしている場合じゃない


早く次の仕事を見つけて、稼がなければならない。


いつまでも、このままってわけにもいかないし……。


”あれ”はできればあまりやりたくない。


だけど、そうこう言っていられる状況ではなくなってきたのも事実だ。

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