エンドロール
そのとき、
ーーピロリロリーン
私のスマートフォンがメールを受信したことを知らせる。
そして、ディスプレイを確認した瞬間、それまで沈んでいた気持ちが一気に頂点へと引き上げられた。
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久しぶり。元気?
来週の日曜日あけて
おいて。
一緒にご飯でも食べに
行こう。
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一見、何の変哲もない食事のお誘いメール。
だけど、私にとっては脳からドーパミンが大量放出され、一気に高揚感で満ち溢れさせるには十分だった。
「……く…み……く……美紅!!」
「……っ!どうしたの?」
律があまりにも大きな声を出すものだから少し驚いた。
「どうしたの?じゃないわよ。急に黙り込んじゃって。何かあった?」
「ううん。なんでもないの。ごめんね。」
メールの送信主のことは誰も知らない。
律でさえ伝えていない。
わざわざ言う必要もないかとさえ思っている。