エンドロール



「あっ!そうそう!美紅。今週の土曜日あいてる?」

急に律が何か思い出したかのか突拍子もなく聞いてくる。

「今週の土曜日?あいてるけど?」

質問の意図は何かと考えながら律の言葉を待つ。


「その日、要の誕生日なの。それで、要の家で誕生パーティーがあるらしいの。」



要とは、律の年上の彼氏だ。



柊 要(ヒイラギ カナメ)、24才。

世界に数々の事業を展開する柊財閥の後取りである。


「それでね、美紅にも一緒に来てほしいの。」



「えっ?なんで?」

そんなところ私なんかが行っても場違いなのではないだろうか。

「柊財閥のパーティーって結構お偉いさんとか来るらしいの。要は普通にしてればいいって言うけど、やっぱり緊張しちゃって……。」



「何言ってんのよ。生徒会長バリバリこなしてるじゃない。」



生徒会長の律は本当にすごい。


テキパキとした指示と誰とでも打ち解けちゃう社交的な態度。



誰もが頼りにするスーパー生徒会長だ。


< 30 / 319 >

この作品をシェア

pagetop