エンドロール
「あっ!そうそう!美紅。今週の土曜日あいてる?」
急に律が何か思い出したかのか突拍子もなく聞いてくる。
「今週の土曜日?あいてるけど?」
質問の意図は何かと考えながら律の言葉を待つ。
「その日、要の誕生日なの。それで、要の家で誕生パーティーがあるらしいの。」
要とは、律の年上の彼氏だ。
柊 要(ヒイラギ カナメ)、24才。
世界に数々の事業を展開する柊財閥の後取りである。
「それでね、美紅にも一緒に来てほしいの。」
「えっ?なんで?」
そんなところ私なんかが行っても場違いなのではないだろうか。
「柊財閥のパーティーって結構お偉いさんとか来るらしいの。要は普通にしてればいいって言うけど、やっぱり緊張しちゃって……。」
「何言ってんのよ。生徒会長バリバリこなしてるじゃない。」
生徒会長の律は本当にすごい。
テキパキとした指示と誰とでも打ち解けちゃう社交的な態度。
誰もが頼りにするスーパー生徒会長だ。