エンドロール
『うわ~痛そ~。』
そう言って同情する声やなんの興味も持たず目もくれない人が通りすぎていく。
日本人は他人に興味を持たない冷たい人間だと誰かが言っていたが、的を射ていると思う。
だけど、そんなことはどうでもよくてすれ違う人の話声も行き交う足音も店から僅かに漏れるサウンドも、耳に入る音全てが私にはまるで、この世に自分は要らない存在なのだと嘲笑っているように聞こえる。
私は、ただ呆然とそこに座り込んでいた。
さっき帝王に言われたことが頭の中で何度も谺する。
“無力”
そんなこと自分がよく知っている。
お父さんが死んで、壊れていくお母さんを支えられなかった自分。
返しきれない借金。
先の見えない自分。
突きつけられる現実。
私は、弱い。
無力だ。
欲しい……。
力が欲しい……。
こんな思いしなくて済むくらいの力が欲しい………………。