ただ、恋をした
「俺さ、」
先輩がベッドの中で後ろから抱きしめる
心臓がありえない早さで脈打つ
「なに、超心臓の音してる」
恥ずかしい
「からかわないでください」
「ん、俺、ほんとにあいつの事好きだったんだよね」
「知ってます……だって、ずっと見てたから」
「うん、知ってる」
「やっぱりばれてましたか?」
「バレバレだって」
「橘先輩は、きっと何か理由があるんですよ、絶対先輩に戻ってくる」
「俺の名前、先輩じゃなくて、秀ってゆーの、呼んでみてよ」
「えっ……」
その瞬間、彼が私に馬乗りになった
「言えよ、麻衣」
「しゅ…う」
唇が重なる
「もっと」
「秀……」
「もっと言え」
「秀…秀っ……」
必死で求め合った
愛しくて、
切なくて、
哀しかった