ただ、恋をした
案の定、私は誘惑には勝てなかった
[わかりました]
でも、これで終わりにしよう
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「……」
ドアを開ける
「麻衣」
「……靴…すごいですね…」
「あ、あぁ…入って」
「また新しい人?」
「それは麻衣には関係ないだろ」
「そんなことしたって、橘先輩の代わりにはならないっ」
ダンッ
机を叩いた音がした
「美砂は関係ないだろ」
「うそ」
「ほんとだ…今日は…」
「今日は、抱かれに来ました」
「……は?」
「もう、終わりにしたいです、何もかも」
「なに言って…」
「秀君は、橘先輩がまだ好きなんでしょう?どうして、埋められないとわかってて埋めようとするんですか?私は、変わってしまった秀君より、前の方が好きだから……幸せに、なってくれれば良かったんです、たとえ見てるだけでも」
「麻衣、俺は…」
「私が、隣にいたかったけど……幸せになんか、できなかった……」
「だから、幸せになってください」
「ま…い」
「だから……バイバイ、秀君」