塩辛い酒よりも、甘ったるいだけの酒が飲みたい。
甘酒には温もりを
あんなやつ、いつもみたいに軽く吹っ飛ばせると思ってた。
なのに、おいらは負けた。
『お前は強くなる。いずれ大鬼になる…が、それまでに敗北を繰り返し、よき師よき戦に恵まれよ。半端な相手に勝利して満足しているようでは、お前も半端な悪鬼にしか成り下がらぬ』
そう言ったあいつは、おいらのお気に入りの酒、『鬼桃天酒』(きとうてんしゅ)を持って去っていった。
腹部に走るズキズキとした痛み。
まだ完全には治ってないけど、明日にはきっと完全回復するだろう。
とある屋敷の縁側にて。
いつものように、されど今日はチビリチビリと盃に注いだ酒を口にする。