空知らぬ雨





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大正




「空子さん!また、お見合い断ったって本当?」





「忍さん、声が大きい!」






学校の帰り道、こうして忍さんと一緒に帰るのはほぼ日課






「なんでぇ?これで三回目よ?それもお医者様だったり、地主の息子さんでしょう?何か不満でもあるの?」




そういって私の顔を覗き込む忍さん




「不満はないけど....」





「ないけど?」





「何か違う気がするの」






そう、何かが違う。



私の知っている人はあの人たちじゃない








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