空知らぬ雨



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お前に文が届かないことくらい分かってるつもりだった





だけど、どうしてもおまえに...伝えたい想いがあってこの文を書いた。



馬鹿みたいとお前は笑うだろうな。





あれから俺は蝦夷に来ている。


京の冬も寒かったが、蝦夷の冬はさらに寒い。




そんな中で俺は今、最期の戦の真っ最中だ。




かつての仲間なんてもう、ひと握りもいやしねぇ



だけどな、俺は最後まで戦う



あいつらと掲げた誠を最期の最期まで貫き通すつもりだ。






お前が帰っちまったあの日から俺の志は変っちゃあいねぇ。





あの頃のまんまだ。




お前への想いも...な。





この文を書いてよかったよ。


あの時はすまなかった。
お前のこといらねぇ存在なんて一度も思ったことはねぇんだ。

じゃあな。






土方歳三





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