叶わない恋

年長さんになるまでは３人で楽しく過ごしていたがたまに母と泰介ゎ些細な理由で寒空のベランダにあたしを放り出し窓の鍵を閉めカーテンまでも閉めて数時間放置してた。

きっとその頃のあたしは２人にすがるしか生きる方法がないのを知らずのうちに理解していたのかもしれない。


年長さんになってすぐ、母と泰介はよく喧嘩をするようになった。怒鳴りあい、母は食器を投げつけ、泰介も物を投げる。そんな中あたしは小さく小さくなって巻きぞいをくらわないように静かにしてた。

ある日保育園の園庭で遊んでると自分のアパートから母と泰介の激しい怒鳴り声が聞こえた。見てみると掴み合いをしてるのが見えた。一瞬夢を見てるのかと思った。先生が気づいてあたしも現実を見て叫んだ。先生が止めにいきなんとか状態は落ち着いたみたいだが母はあたしに見向きもせずどこかに消えた。

その時地獄へ堕ちていく音が聞こえた気がした。