ジャンケン
『待ってね〜これでママとジャンケンできるからね〜』
母親は
ツグミのもう片方の
手も血まみれになった
手と同じようにペンチとキリで骨を取り出した。
僕は
その光景を
じーと見ていた。
母親がいなくなっても
女の子の体は
椅子に固定されていた。
テープから解放された
口からは大量の血が流れ落ち
力なくツグミの泣き声が
静かな部屋に
響き渡った。
『……ヒッ……ヴゥゥ。』
僕は
屋根裏から
降りて
ツグミのもとに
駆け寄った。