愛と正義と敵と【未完】
それを傲慢だとも、高飛車だとも言う人がいますが、琶歌には抱えている大きな闇がありました。
「お姉さま、もう一度弾いてくださいますか? 私、琶歌お姉さまの弾くお琴ほど見事なものはないと思うのです!!」
「ふふ、いつもありがとう、紗江。でもさすがに褒めすぎよ? 都の武芸の方はもっと素晴らしいわ。」
伏し目がちにその長い睫毛を下げ、艶のある美しい髪の毛と、整った顔立ちをさらに際立てている、そのいつ見ても麗しい姿に紗江は瞳をキラキラさせました。
そして琴の稽古に励む妹の様子を、琶歌はやはりいつも温かく見守るのです。
「今日はもう終わりにしましょう。私はこれから用があるからごめんね。」