魔界女王伝
はい、ビレト様、申し訳ありません。久しぶりの葉巻ゆえ」
そう言ってシュタイナーは葉巻を吸い、笑みを零した。



普通の人間がこの二人の異形の魔神を見ただけでも絶叫し、腰を抜かすであろうにシュタイナーは自然体で余裕を見せて、皮肉たっぷりに言った。



エリゴスは言った。



「シュタイナーよ・・・今は一刻を争う時間がないのだ!」
「ハッ!解っております。」



それを聞いたエリゴスとビレトと猫はだまってきびすを返し、ゆっくりと馬を歩かせた。



シュタイナーもそれにつづき歩きながら葉巻をふかし、なにやら物思いにふけっていた。

「先ほどから感じるこの力は、なんなのだ・・・・・!
この力はルシフアーの力を超えかけている!私を目覚めさせるほどの緊急事態か・・・!
今、地上でソロモンが施した七つの封印が破られそうになっていると聞いたが・・・。」



シュタイナーは目を鋭くしながら口に笑みが零れる。
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