魔界女王伝
そう言って、シュタイナーは長い階段を上っていく。



そんなシュタイナーを見送りながら、エリゴスが言う。



「今回の件、失敗すれば地上の生きとし生きるものは、闇に閉ざされるであろう。
力を貸してやりたいところだが、信仰が失われつつある。」



ビレトが言う。
「仕方がない、今のこの時代は肉体の戦争から魂の戦争になりつつある。



「だが、今ならまだ間に合う。ノストラダムスの予言は宿命なれ、運命は変えることが出来るのだから。」
我はまだ、地上の者たちの力を信じる。
奇跡とは、所詮、常に諦めずに進む力の中から生まれるものなのだから。」



二人の騎士はそう言って、猫と共に踵を返して魔界の門へとゆっくりと戻っていった。



シュタイナーは磨きあげられた長い階段をゆっくりと上りあげた。



左右に灯を吹き上げる巨大な柱が、まっすぐな通路ぞいに、いくつも立っており、その中
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