魔界女王伝

「目の前の扉の奥にルシファー様がおられる。シュタイナーよ、くれぐれも気をつけるのじゃぞ。これから先、汝は女王に気づかせるメッセージを送り、様々な試練がお前たちを襲うであろう。人としての喜怒哀楽の心を失ってしまったスピリットも多い。また、凶悪な人間も地上界に多い。



世は刻々と滅びの道を進もうとしている。汝にこれをやろう。もし汝らが最大の危機に陥った時、使うがよい。」



そういって、アガレスは、一粒の種をシュタイナーに渡した。




｢これはいったい何なのですか？｣



シュタイナーは金色に輝く、一粒の種を見ながらつぶやいた。



その顔を見て、アガレスは満足げにこたえた。
「その種はこの城に生きたまま瞬間移動することができる種じゃ。



魂たる我々にとって、この世界は普通に存在できるが、唯一この城には生きたまま存在で
きる広間がある。もし、女王の命に最大の危機が訪れたら、使うがよい。ただし、一度だ
けじゃぞ。　　よく考えて使うのじゃ。　　　さあもう行くがよい、お待ちかねじゃ」