魔界女王伝
「ルシファー様、ソロモンの王ですね、先ほどアガレス様が言っておられた女王とは、この方でしょう、が、なぜ、選ばれたのですか。」



ルシファーは悲しい瞳で話し始めた。



「かつてミカエルは、72柱を支配するひとつの指輪をソロモンに渡した。後にソロモンの指輪と呼ばれるものだった。



シュタイナーは悲しげな目をした。



そんなシュタイナーを見て、ルシフアーは優しく語りかけた。



「シュタイナーよ、汝は昔から変わらんな。人間には自由意思がある。過去、汝は自分
の心を貫きとうしたのだ。人間は神の道具などではない。例えばイバラの道を生きようと、どのような生き方をしようと自由だ。



ただ、生き方によっては自分で自分の首を絞めることになる。我々は完璧な存在ではない。進化向上するのは過去から現在にかけてで、魂を成長させるのは難しい。」



シュタイナーはルシファーに振り返って、「ありがとうございます。」と一言、言った。
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