魔界女王伝

ジョンソンは恐怖のあまり頭がおかしくなりそうだった。そして体はすでに金縛りになっており、身動き一つ出来なかった。



館内の天井の空間が突如歪み、そこから『闇の王』の分霊《黒い人魂》が無数に出現した。



《人魂》は館内を飛び回り人形に向かって、話しかける。
「アリス……アリス起きよ!!」



おそらくアリスだけに聞こえたであろう、その声の主は怒気を孕んで呼び続けた。
やがて、アリスは目覚めた。



「むぅ、妾を呼ぶのは何者か!事と次第によってはただではおかぬぞ!」
《人魂》達は怒り狂いながら狂気を孕んで怒鳴りつける。
「愚か者が、我を忘れたか!!いつまでそこで眠り続けているつもりだ!?」



ジョンソンは思わず言った。
「ば、化け物どもめ」

アリスは一瞬、遠い記憶を呼び出して、この声の主が何者なのかを知った。アリスは狼狽しながら弁明する。



「も、申し訳ございません。偉大なる闇の王よ。まさか、貴方様が来られようとは。な、何卒、お許しくださいませ」
アリスは必至で叫んだ。