魔界女王伝

そんな時、人魂の一つがジョンソンに向かって嘲りながら言う。
「ひ弱で愚かなる人間よ。よく聞くがよい。汝達は永遠に救われぬ。時が来たのだ。汝達はやがてすべて滅びるだろう」



ジョンソンは恐怖を振り切り、怒りが込み上げてきた。
たとえ今日、自分が死のうとも、このような化け物どもの存在を神がお許しになるはずがないと思っているからだ。



「ふ、ふざけるな。この化け物どもめ。お、オレ達が滅びるだと。神がそんな事をお許しになるはずがない。」



館内に嘲りの声が木霊した。アリスが言う。
「愚か、愚かよのー。ひ弱きものよ。ならばなぜこの場にお前が言う神とやらが助けに来ぬ。神はもうとっくの昔に汝らを見捨てたのだ。それがわからんのか。」
アリスは楽しそうに、だが残酷にジョンソンに言った。



ジョンソンは絶望しながら考えていた。
「た、確かに!!何故こんな窮地に神様は来ないのだろうか･･･。神は本当に我々人間をお見捨てになったのだろうか。神よ!助けて下さい!どうか、お願いします。この邪悪な存在を打ち破り、奇跡を起こしてください!俺にはまだやる事が残っています。明日は娘の大切な日なのです。ここで死ぬわけにはいかないのです!どうか、奇跡を起こしてください!」



ジョンソンは願ったが奇跡は起きなかった。そして最悪がジョンソンの身に起きた。