魔界女王伝
スティーブは我を忘れて医師の襟首に掴み掛り言った。
「解らないはずないはずないだろう。あんた医者だろう。」ど怒鳴った。

だが、医師は臆すことなく言う。厳しい目をしていた。
「やめて下さい、スティーブさん落ち着いて。確かに私は命を預かる医師です。だが、それとて万能じゃない。特に今回のような特殊なケースに限ってはね。」



我に返って掴んだ手を放しながら謝罪する。
「すまない、先生・・・・・」
目からは後悔と疲労の色は隠せない。



それを見て医師も先ほどの厳しいかをから同情の眼差しをしながら優しく言う。
「スティーブさん、私もたくさんの命が消える瞬間を多く見てきました。本当に大切な人の命が奪われた時の家族の方や親族の方、そしてあなたのような親友の方の嘆きは多分とうの本人しか分からないかもしれませんが、その嘆きの悲しみは解っているつもりです。
私ももしも自分の家族が亡くなったらと思うとその気持ちは想像を絶するでしょう。」



「先生・・・」
一瞬でも自分を見失ったことに恥じた。そのとうりだ。一人でも亡くなればこの始末なのだから…だが、医師ともなれば何百、いや今まで何千と言う人の命の消えるのを見てきたのだろう。そしてその場にいた人たちの嘆きも共感しながら見て来たに違いないのだから… スティーブは医師に言う。
「先生、ジョンソンを見に行ってもいいですか。」



医師は優しい目をして静かに言った。
「どうぞ・・・」
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