魔界女王伝
スティーブは医師に付き添われて霊安室の扉を開く。大きな部屋の電気のスイッチを医師がつけて一瞬、くらとし目をまばたいた。
霊安室の中央の大きな台の上にジョンソンは静かに眠っていた。まるで本当に眠っているようだ。その顔は何かやり残した後悔を残した悲しい顔だった。



そんな姿を見た、できれば顔を背けたかったが、現実に直面しなければいけなかった。スティーブは心が張り裂けそうになった。



「ジョンソン」死んだジョンソンの髪を撫でながら自分の心の中から何か大切なものが壊れて行くのを感じた。



「ジョンソン、お前明日どうするんだよ…明日は大切な誕生パーティなんだぞ。それなのに死にやがって、大馬鹿野郎。　これからお前、サリーやジョアンナはどうするつもりた・・・」
歯を噛みしめて、こぶしを強く握りながら心の中でつぶやいた。



それを見ていた医師はジョンソンにかけてあった白い布を取って困惑した表情を見せた。
「スティーブさん、私がどうして死因が今回理解不能かと言うと、この後が有るからですよ。」と医師はジョンソンの心臓の部分を指差した。



そのあざを見て心臓が冷たくなった。
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