「視えるんです」


先輩の、そば……。

そう聞いた時、私はまたゾクリとなってしまったけれど。
本田先輩が『害はない』と言葉を続けてくれたため、なんとか叫ばずには済んだ。

それでも、怖いけど……。




「雨宮を救い出したのは俺。 と言いたいところだけど、残念ながら俺にはそこまでの力は無い。
正直に言ってしまえば、『キミを守る』と言いつつ、本当に守りきれるかもわからない」

「え……マジですか」

「マジ」




……なんでそういうことを言っちゃうんですかぁ……。

そんなこと言っちゃったら、全然信頼出来なくなっちゃいます……。

……でも、他に頼れる人は居ないから、結局は先輩の『守る』を信じるんですけどね。




「もし俺が死んだら、」

「え!?」

「例えばの話だよ。 もし俺が死んだら、その時は半沢ティーチャーを頼るといいよ」

「半沢先生を、ですか……?」





……なんか、イマイチこう、信頼し合える気がしない。

本田先輩は半沢先生を信頼しているけど、私は、多分無理かも……。




「あの人は雨宮を解放した人だから、腕は確かだよ」




……えぇ!?


< 52 / 214 >

この作品をシェア

pagetop