「視えるんです」
「……先生は、怖いって思うことはないですか?」
「あ? 本田を、か?」
「あ、いえ……なんていうか、視えるということや、危険な目に遭ったりとか……あるでしょう?」
「つまり、本田と一緒に居る時に危険な目に遭い、怖くはないか?ということだな」
「……まぁ、それでいいです、はい」
あながち間違いでもない、もんね……。
というか、本音を言ってしまえば、そうなんだろう。
先輩と一緒に居て怖くはないか?と、それが私の聞きたいこと……なんだと思う。
「本田のことを怖いと思ったことはない。 つーか、俺の方が強いからな。
だから逆に、本田は怖いんじゃねぇの? 俺と居ることが。
俺が引き寄せちまったモノがアイツを襲うなんてしょっちゅうだからな」
「えっ……襲う、って……」
「俺って人気者だからさぁ、ヤバいのがぞろぞろ来るわけよ。
大抵殴れば消えるが、時々かすっちまうんだ。で、それが本田のところに行く、ということだ」