恋愛のやり直し方
真理子の誘いにいち早く反応したのは竜君だった。



「俺行きます!」



「………ちょっと、私は友田先生をお誘いしてるの。まぁ、いいわ。綾も連れて行くつもりだったから」



「はぁ?」



驚く私を無視して真理子は


「で、先生のご都合はいかがですか?予定あります?」





ニッコリ笑って誘う口調は、営業そのもの。
そこに甘い誘いの要素なんて1ミリもない。




「いいですよ。昨日の酒があまり上手くなかったので、今晩は期待できそうですから」



「じゃあ、決まり。後ほど時間と場所をご連絡します。では、失礼します。
さぁ、竜も行くわよ。こんな所でサボってると編集長にチクるわよ」



「マジッすかぁー」



首根っこを掴まれるようにして連行される竜君。

バタンと閉まるドアを唖然と見送るしかなかった。





今夜、映画を見に行こうと思ってたのに………

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