恋愛のやり直し方
あれから友田が部屋から出てくることはなく、夕方竜君が迎えに来てくれるまで、二人になることは無かったことに心底ホッとした。



あのまま二人きりになっていたら、私はきっと彼にとんでもない言葉を浴びせ罵ってしまったかもしれないから。




分かってる。
友田が悪いわけではないこと。



だけど、先の見えない自分の人生を改めて認識させられた感が拭えない。




何の事情もしない竜君がいつもの明るさで迎えに来てくれた時には、竜君が天使に見えたほどだった。



だけど





竜君は決して天使なんかではなく堕天使だ。
やんわりと食事を断ろうとした私を連行するように連れ出し、挙句の果てに迎えの車は、友田の隣に座らせた。





たぶん、私の中の何かを察したのだと思う。




「なんだか分りませんけど、仲直りしてくださいね」



と、友田にはっきり聞こえるオマケの言葉を残して。











「………」

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