恋愛のやり直し方
竜くんに言われてふと自分の指を見る。

短く切り揃えられた爪。
もともと長く伸ばしたりネイルを楽しんでいた訳じゃないけど、昔は少しは気にしてたなぁ。



家事をするようになって、全くしなくなったけど……



「ネイルすると、家事がしにくいから」


「あー、そうですね。だけど、綾さんの手は、家事をやってるようには見えないですね」



私の手を掴み、マジマジと見る竜くん。
別に裸を見られてるわけじゃいのに、なんだか照れる





「痛っ!」



「お前は、人の家で昼間からなにやってんだよ」



いつの間にか起きてきていた友田にパコンと頭を叩かれた竜くん。





もはやお決まりですね。



「大意はないっすよ。ただ、綾さんの手が綺麗だなって言ってたんです。『この手に、きれいなネイルでもして、思い切り頬を叩かれたい』とは、思っても言ってませんから」




「…………」


ニッと笑う竜くんは、やっぱり躾のいい子じゃなぁい!
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