恋愛のやり直し方
「まぁ、いっか」



私の返事なんて特に待ってもいなかった様子の夫は、冷蔵庫からその手に似合わないカラフルなデザインのチューハイを手にキッチンを出て行った





ダイニングテーブルではなく、ソファーに座る彼の背中を眺めてフーッとため息が漏れた





これから夕飯だってのに、そっち?





「ご飯できてるけど、そっちで食べる?」


「ああ、そうして」



「………はい」







ダイニングテーブルからお皿を運ぶ

ソファーに座りながら、7時のニュースを見ている夫の背中が視界に入る。






この人にドキドキしたのはいつだっただろう……




今となっては、そんな感情があったのかさえ分からない。
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