恋愛のやり直し方
「ま、真理子に頼まれたの。短期のバイトよ。作家の家で家政婦みたいなことよ。すぐに辞めることになってたから言わなかったの」



「家政婦?お前まさか……そいつとデキてんの?」





えっ?
今の私の説明のどこにそんなことを思わせるものがあったんだろう?
やっぱり私には言葉のセンスがないらしい。





「ち、違うよ。ホントに真理子の頼みでやってるだけ。第一、私なんかが相手にならないよ」




ブンブンとこれでもかってほど首を振る。
だって、実の嫉妬心は異常なほどで、もしかしたら友田に迷惑がかかるかもしれない。




そんな私の様子を見て、フと表情を緩ませた実。
それだけで、ホッとする。




考えても見たら随分身勝手な男だと思う。
自分から手放しておいて、私に少しでも男の影がチラついただけでこんなにも詰め寄るなんて……


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