恋愛のやり直し方
どのくらい経ったのだろう。
バスルームから出ると窓の外は白々と夜が明けていた。



バスタオルでワシャワシャと髪の毛をタオルドライしながらふとテーブルに置かれた3万円が目に入る。




スタスタとテーブルまで行き、それを手に取るとグシャッと丸める。
そのまま躊躇いもなくゴミ箱へ投げ捨てた。







そうだ。
自分を守るために、自分の生活を今まで通りに過ごそう。

それが、せめてもの私なりの抵抗だ。




ブンブンと頭を振ってから、ペチンと頬を叩いてみる。
子供だましのようなその行為なのに、思いのほか立ち直れた気がした。
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