恋愛のやり直し方

土曜日の朝は、いつもとは違って道も空いていた。


昨日、自転車を置いて来てしまったため、仕方なく歩いて行くことにした。
アスファルトからの容赦ない熱に、途中何度も挫けそうになる。



こんな時家に掛け込める友達一人でもつくっておけば良かったと後悔する。
だって、こんな時に浮かぶのが友田の家だなんて……




「おはようございます」




朦朧とする寸前、なんとか辿り着いたタワーマンション。
コンシェルジュデスクから挨拶の声掛けをしたのは、立花さんではなくエクボが印象的なかわいいらしい女性だった。





鋭い観察眼を持つ立花さんにあったらどうしようかと、内心ドキドキしていた私は、心底ホッとした。




「お、おはようございます」



ペコリとその人に挨拶を返してオートロックの解除ボタンを押した。