恋愛のやり直し方
「ごめんなさい。許してください。ごめんなさい……」




遠くで幼い声がする。


あぁ、きっと私の声だ。





一生懸命謝ったって届くはずないのに……









頬を冷たい涙が濡らす。

泣いたってなにも変わらないのに

まだ泣くの?





すると、温かい何かが頬に触れた。
その瞬間、全身にあった重たい何かがプツリと削げ落ちる気がした。
身体が軽くなる。








「ここにいて。何も心配しなくていいよ。きっとここが居場所になるから」







はっきりとは聞き取れないその声は、まるで睡眠薬のように私を眠りに落としていった。
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