恋愛のやり直し方
空はすっかり秋になっていた。



今晩の買い出しに馴染みのスーパーに来ていた。
棚に並んだ野菜や果物は、カラフルで陽気な色のものから、くすんだ色の物へ変わっていた。




ちょっと早いけど栗ご飯にしちゃおうかな




初物と栗が正面に陳列されていた。






その時、ポケットに入れていた携帯が震える。






「もしもし」



『綾さん?俺、竜です』



「うん。液晶に名前出てた」




『綾さんもう少し嬉しそうに出てくれないですか?さすがに俺でもへこみます』



へこむなんて言いながら、竜くんの声は元気そのもの。
この子には季節は関係ないみたいだ。





「それより、どうしたの?先生なら今日はそっちじゃないの?」




このところ友田の仕事は執筆よりメディアへの露出の方が多い。
連日友田の顔をテレビで見ると、この人はやっぱり有名人なんだと妙に実感して感激すらする。

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