恋愛のやり直し方
ちょうど私と入れ違いで、コンシェルジュデスクにやって来た女性がいた。


すれ違いざまチラリと見た横顔に思わずドキンと胸が鳴る。







「……っ!」






間違うはずがない。
アレは『里美さんだ』





華奢な身体は写真のまま。
透き通るほど白い手足。



写真の中の笑顔の印象とはかけ離れた追い詰められたような表情









「すみません。ちょっとお尋ねします。友田直樹さんのお部屋はどちらですか?」




か細く高い女の子らしい声で、立花さんに話しかけている。










「申し訳ありません。入居者の事はお教えできない決まりになっております。お呼び出しすることはできますがいかがいたしますか?」







立花さんは、コンシェルジュ用の顔で動じることもなく淡々と対応している。
一方で、私の身体はそこから動くことができず、心臓だけはドクンドクンと早まっていた。





「お願いします。里美が来ていると伝えていただければ分かるはずです」


か細いけれど、意思の籠った声だった。
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