恋愛のやり直し方
車で走ること数十分。


小高い丘の上にあるお店の前で車が停まった。





「着いたよ」





友田の声にハッとして、初めて周りを見渡した。

ここに来るまでの間、外の景色になんて意識がいかなかったせいで、ここがどこなのか全く分からない。




目隠しされて連れて来られたような感じ。





ズシンと重たくなったカバンを手に、車から降りる。






「あ……」




夕焼けが眩しくこちらを照らしている。
一瞬眩しさに目がくらんだけれど、すぐに目が慣れてきた。





ゆっくりと目を開けると、そこは少し出っ張った展望スペースになっているようで、すぐ下には街がジオラマのように見える。




「キレイ……」




夕日に照らされた街の景色は、まるで本物とは思えなくて、良くできたジオラマじゃないかと疑ってしまう
< 414 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop