恋愛のやり直し方
「また泣かせちゃった」




呟くように言った彼の声は弱々しくて、少し動揺してるようにも見えた。




「違います。自分でも良く分からないけれど、コレは嫌な涙じゃないんです。だから……先生のせいじゃないですから」



ブンブンと頭を振って否定すると、フッと笑った。






「なら良かった。また君を困らせたのかと思った」






『また』に含みを持たせた言い方をした友田。
それが、あの夜……友田が私を実から救ってくれたあの夜のことだって事くらいはすぐに分かる。



瞼の裏側にフラッシュバックのように映し出された情景。







「森嶋さん、顔真っ赤」



クスリト笑う友田は、確信犯だと思う。

人の反応を見て楽しんでいるのだと思うと腹が立つ半面、あの夜のことをこうやって冗談にできるほど、彼が気にしていないんだってことにホッとしたり、寂しく思えたり……

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