恋愛のやり直し方
その顔に、思わずクスリと笑みがこぼれる。




「もちろん良いですよ。若き小説家の誕生に乾杯しましょう」




からかうように言ったその言葉に「やられた」と悔しがる友田に、また笑みがこぼれる。
その顔にギューっと心が締め付けられる。








「森嶋さん、いい度胸してるね。俺、売られた喧嘩は買うたちなんだ」



さっきまでの照れた笑顔を隠して、挑戦的な視線を向ける。

その視線にすらズクンとお腹の奥の方が疼く。





病気だ。







「売ってないです」



何とか平静を装ってそう返すと、「いや、人の反応を見て楽しんでた」と不貞腐れたように言う。






「それより、乾杯しましょう。私早く飲みたい」



「それもそうだね」
< 422 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop