恋愛のやり直し方
「えっ……」



「厚かましいのは十分わかってます。でも……私不安で……彼の前まででいいんです。ついて来てくれませんか?」




がっちりと私の腕を掴んだか細い手。
その腕を振り払うことができない。




彼女は私の気持ちを知らない。
だからそんなことが頼めるのだと思うけれど、正直、これ以上自分の傷口を自分で開くようなことはしたくなかった。




目の前で彼女を受け入れる友田を見たら、きっと立ち直ることが容易ではなくなる。


だけど、ここで彼女の頼みを断れば、私の気持ちを彼女に知られることになるかもしれない。


そちらにしても自分にとっていい方向に運ばない。





どちらがより軽い傷で済むのか天秤にかけてみる。



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