恋愛のやり直し方
嫌悪しか生まないその男の存在に舌打ちしたくなる。





「人肌恋しいなら、他あたって」



この男はしぶといし、しつこい。
私はここで憂さ晴らしを諦めて席を立つ。




「あんたがいいの」



立ち去ろうとした私の腕をギュッと掴むと獲物をとらえた獣のような顔をしてそう言い放った。




「だ、か、ら、他あたって。私、帰るから」





掴まれた腕を話してもらおうとするけど、ビクともしない。
これは、マズイ。


一気に緩んでいた身体が緊張し始める。




慌ててマスターの姿を探しても、生憎奥に下がっているようだった。







何度か押し問答をしていると、急に目の前が真っ暗になった。


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