恋愛のやり直し方
「俺の連れ、離してくれない?」




その声に、ハッとして顔を上げるとやっぱり――




「な……なんで…」




信じられない。
だって、里美さんと一緒のはずでしょ?




なんでこんなトコにいるの?



キット睨まれた男は、「チッ!」っと舌打ちをして店を出て行った。






その背中を呆然と見送っていると、クルリと身体が反転する。
正面で向かい合う。




「あ……あの…」

この状況を何一つ理解できていない。




何から聞いていいのかすら分からない。





「これ、ここに置いておきます」



ポケットから出したお札をカウンターに置いてマスターに一礼する。
そして強引に私の腕を引き店の外に出た。
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