恋愛のやり直し方
置いてきちゃったって?どういうこと?



やっぱり小説家と会話するのは難しい。
首を傾げて伺うと、コツンと頭を小突かれる。






「あのさ、里美と俺、もうとっくに終わってるんだけど?今さら会わせて焼け木杭に火が付くとでも思った?」




「……それは!……はい」







言われてみれば、私が聞いてる話しは全て誰かから聞いたもので、一度も友田から聞いたものではない。


だとすると――

もしかして、すごい勘違いをしていたのではないだろうか……








「その顔は、やっと分かったってとこ?」



「………」






もしも、友田の中での里美さんの位置が、私が思っていたものと違っていたとしたら、私はとんでもない行動に出てしまったのではないかと、ジワリジワリ焦る。

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