恋愛のやり直し方
「あのね、今日はどこに行った?」


「丘の上のレストラン」





「正解」と頭を撫でられる。




「俺、記者から取材受けるまですっかり今日のこと忘れてたの。毎年あそこで自分をリセットしてたのに。まぁ、恒例行事みたいなもん?だから、慌てて取材をバックレた。

それから、里美のことは、俺の中ではいい思い出とまでは行かないけど、フツーに懐かしむ程度には思いでになってるの」




「えっ」





友田の瞳を覗きこむと、照れたようにクシャッと顔を歪め、ムニっと頬をつねられる。






「いつまでも一人の女に感傷するほど若くない。それから一番大事なトコ」




そこまで言ってフーッと大きく息を吐いた。
そして向かい合うように座りなおした。




クルリと瞳の中の何かが動いた気がする。





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