恋愛のやり直し方
俺のけん制もどこ吹く風。
竜は真っ直ぐに綾に向かっていく。




焦る俺。





だけど、曲がった根性の俺は、素直に正面から勝負することなんかできなくて、泣く泣く竜に綾を預けた。




だけど、一秒だってお前から目を離さなかった。






突然綾が見えなくなって数分。

いつもあたってしまう俺の嫌な予感を、この時ほど外れて欲しいと思ったことはなかった。





気がつけば、身体が先に綾を探していた。





あのときの俺は、無我夢中すぎてまともな記憶が無い。
どうやって綾を探し出したのかは思い出せないけど、本能で探し当てた。




あの男の背中に隙間から、綾の白い腕が見えた時目の前が真っ暗になったのは覚えてる。





俺の中で、何かがはじける音がした。
自制する警鐘も無視して、きがつけば、素人を相手にするのはご法度なはずなのに、気がつけばヤツを数メートル先に吹っ飛ばしていた。

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