恋愛のやり直し方
んんっとくぐもった声を出してゴソゴソと体を捩る綾。



だけど、ごめんな。俺がガッチリ抱き締めちゃってるから、寝づらいよな。



窮屈に感じたのか、目が覚めそうだ。



ここは、寝たふりして様子をみてやろう。





軽く目をつぶる。
「はっ!」と短く驚いた声を出したと思ったら、ゴソゴソと俺の腕から逃れようとする綾。




この後どうするのか面白くなって、そっと腕を解いてやる。





すると、俺に背を向けた綾は、あろうことかベットから出ていく。




はっ?






こういう時ってのは、目が覚めても余韻ってもんを引きずってイチャイチャするんじゃないのかよ?





脱ぎ散らかってる服をかき集めて、静かに身支度をする綾。





……もしかして、分からないうちに出て行こうとしてるんじゃないだろうな?







どうやら、俺の嫌な予感は良く当たる。

そのまま振り返りもせずに出て行こうとしている綾に思わず声をかけた。
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